iPhoneについてもう少し考えてみた

 
 iPhoneが日本で発売になったら日本の携帯はどうなる、という予測には、ものすごい売れる、という意見から、日本の携帯にあるいろいろな機能がないので全然売れない、まで幅広い意見が出ていますが、日本において(まあ日本以外でもですが)携帯電話は完全に生活にがっちり結びついてしまっていて、suicaやおサイフケータイとか、取り溜めた写真とか、絵文字つきメールとか、ゲームとか、着うたとか、ワンセグとか、なくなったら困るという人はいっぱいいると思います。なので、そう簡単にバカ売れはしないでしょう。
 でも、価格が予想外に安かったので、通信料次第では二台持ちにする人もいるだろうし、逆に日本の多機能携帯を持て余している人とか、携帯にお金をかけたくない層に売れたりするかもしれません。

 まあ、Appleがやりたかった事はそういう既存の価値観に沿って売れる製品を作る事じゃなくて、携帯電話を、通話もできるネット端末として再定義する事で新しいプラットフォームを構築する事だと思うので、今すぐiPhoneが売れるかどうか、という事より、iPhoneを中心に発生した、この新しい生態系がどんな風に膨らんでいくかをわくわくしながら見ていれば(あるいは参加すれば)いいのかな、という気がします。
 価格が高くて売れないのではないか、という問題は、本体が$199からという昨日の発表で払拭されたので(本体が安い分通信料が高い、という話も出ていますが)、iPhoneがひとつのプラットフォームとしてある程度の地位を持つ事は間違いないように思います。

 今誰かに、iPhoneとは何か説明しろ、と言われたら『未開の惑星と繋がっているどこでもドアみたいなもの』と答えます。
 とりあえず大気と水はあって生きていけるけど、目の前にあるのは、いったいどれくらいの広さがあるのか分からない未開のジャングルだけ、という状況。
 そういう状況を前にして、『開拓できる土地がものすごいある!急げ!』と喜んで飛び込む人もいるだろうし、『え?ベッドないの?シャワーは?電気は?エアコンは?コンビニは?………じゃあ家から出たくないなあ』という人もいると思います。

 個人的には飛び込んだ者勝ち、という気がします。そこに新しい都市がつくられるなら、その場に立ち会いたいし、できるなら参加したい。損得よりまず楽しいですから。

 iPhoneなら漫画なんかは普通の携帯より読みやすそうだし、iPhone向けにいいブックリーダーが出る事を期待してそれ用の漫画でも描こうかな。
 (追記)と、書いて携帯を見たら数時間前にshi3z氏から着信があったのを見過ごしていて、ustream見たらshi3z氏が喋ってるので何の電話か聞いたら『iPhoneで漫画やりましょう』だそうです。なのでなんかやる事になりそうです。


 ちなみに、今日の昼にソフトバンクショップでiPhoneを予約してきましたが、今朝から受付を始めたのに、僕でもう6人目でした。ヨドバシとか大きな所じゃないので、僕的には『結構多いなあ』という気がします。他の人のブログでは自分が46人目だった、と言うような人もいるみたいで、うかうかしていると、もしかしたらしばらくは入手に苦労するかもしれません。
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 今の(あえて「旧来の」と書きます)携帯にはsuica他たくさんの機能がついてますが、基本的に「あとづけ」的な機能が多くて、「携帯電話を持たせる理由を作るためにつけた」印象があります。
 それら旧来の携帯に慣れてしまった人にとってiPhoneは「機能が足りないから乗り換えられない」でしょうけれども、旧来の携帯に慣れてない人たちにとっては必ずしもなくてはならない物ではないですし(「携帯でテレビ見られなくても別にいいや」みたいな)、新規購入者や付加機能が不要な人たちにも同様だと思います。
 ですから案外、実はいわゆる(携帯の使い方や付加機能についてよくわかってない)「デジタルデバイド層」にこそ受け入れられる可能性があるかもしれないと思いました。
 そのためにはiPhoneが与えるガジェット的な要素がかえって邪魔になってしまうかもしれないかなあ、とも思ってます。今は「よくわからないけど、パソコンとつなげて色々複雑なことができる携帯」みたいなイメージ持ってる人が多そうです。
 旧来の携帯と比べて、操作のためにボタンを長押ししたり、メニューの階層をいくつも潜ったり、設定が色んなところにちらばっていたりという複雑さがなく、インタフェースが簡素で、タッチパネルでの操作もわかりやすいですから、このあたりが広まれば、日本でもiPod miniをきっかけにポータブルオーディオの主流が一気にMDからDAPに変わったみたいに、業界を席巻してしまうかもしれませんね……あくまで、ひょっとしたら、ですけど。。。

 Apple Human Interface Guidelinesが(和訳版ですが)手元にあるんですが、20年近くたった今でもとても参考になる内容ですし、このあたりの使いやすさはインタフェースに良い意味で異常なこだわりを持つAppleならではなのかもしれませんね。
(たとえば、ユーザのマウス操作についても「クリックされたら、その結果はすぐに画面に反映させてください」「ダブルクリックが必須となるインタフェースは排除してください」など、こだわりは異様です。ただOSXとはそぐわない内容もありますけども……)

 しかし簡単なのに(特にSDKでネイティブアプリ作れたりして)無限の可能性があるってのはすごいですね。これであとは生産台数さえ多ければ(笑)
プロフィール

安倍吉俊

Author:安倍吉俊


イラストレーター。漫画集『回螺』、画集『垓層宮』発売中。
ガンガンONLINE『リューシカ・リューシカ』連載中。
代表作『lain』『NieA_7』『灰羽連盟』『TEXHNOLYZE』
Macユーザー。カメラと自転車好き。爬虫類と魚を飼育中。
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