子供と携帯

 
 子供に携帯を与えるな、みたいな話が出てますね。

 以前に、『危険がひとつもない環境では子供は成長のきっかけ自体がなくなってしまうので逆に良くない。いろんな有害情報があってそれを巡って親子でコミュニケーションがあって子供は育つものではないのか』といった趣旨のエントリを書きましたが、携帯のように急速に普及した道具は、今の親は自分の子供時代には携帯がなかったので、子供が携帯にどっぷりつかっている事に対してどう対処していいのか、経験とか自分の体験による判断ができないので大変だなあと思います。


 それを加味しても、個人的には子供から携帯を取り上げるのは反対です。携帯によるトラブルに対処する能力は携帯を使える環境下でしか養われないような気がするので、携帯が持てるのは18歳から、と言う規則を作ったら、18歳を過ぎたとたんに携帯に不慣れな18歳が面倒に巻き込まれるだけで、なんか意味がないような気がします。
 もちろん、未成年には酒や煙草が買えない、というのと同じ程度に未成年がアクセスしてはいけないサイトをフィルタリングする必要はあると思いますが……。

 しかし、人間というのは間違いをして怒られて行動を改善して、の繰り返しで成長するようにできているので、大人が勝手な都合でつくったフィルタで情報を遮断するのは、子供を守ると同時に、やはり成長の機会を子供から奪ってしまう気がします。

 で、はたと気づいたのですが、我々はどうして有害情報と無害情報、みたいに白と黒できっちり善悪を分けられると考えているのでしょう。人間は少しずつ緩やかに成長するもので、やっていい事といけない事が、ある年齢を境に劇的にどかんと変わるようなルール設定が人間の成長に有益なわけがない、のではないでしょうか。

 そんなわけで、ここはひとつ、白と黒の間にグレーゾーンを設けてみてはどうでしょうか。

 例えば、お酒は何歳から飲めるか、というルールだったら、15歳未満は黒!全員飲んでは駄目。20歳以上は白!飲みたい人は飲んで良し!で、15~20歳の間はグレー!親とか先生とか社会のいいつけと自己責任の間でせめぎ合いながら飲んだり飲まなかったり失態を演じたり怒られて反省したりふてくされたりの期間!
 みたいにしておくのはどうでしょう。そうでないと、自分がどのくらい飲めるのか、とか酔っぱらったらどうなるのか、とか酔っても人に迷惑をかけないようにするには、とか、そういう判断力とか自己責任能力を養う機会がないまま突然20歳になって好き放題飲んでいい、という状況に放り出されて、逆に危険だと思います。

 お酒を例に出したのは、お酒はみんなこっそり未成年のうちから飲んでいて自然のグレーゾーンができているからで、なんかそういうゆるい括りの方が、人間を育てるのには適している、というのが分かるのではないかと思います。もし未成年の飲酒をものすごく厳しく取り締まったら、逆に20歳を境に急にトラブルが増えて良くない気がします。

 そんな感じで、携帯も例えば12歳以下は親が居場所とか使用履歴ををチェックできるような制限付き以外は駄目。18歳以上はまあ自由。その中間は親と話し合って決めるグレーゾーン。みたいにすると、グレーゾーンの期間に緩やかに善悪ないまぜのネットの世界に触れていけていいのではないでしょうか。

 あと、これはまた別な話だけど、子供が一日中メールばかり打っているというのは確かに問題だなあと思います。数分以内に返事をしないといじめられる、みたいなルールがあったりもするそうで、でも、それに対処するのは子供から携帯を取り上げるというよりは、メールは(緊急用以外は)1時間以内に3通までしか出せないとか、一日に10通以上(この辺の数字は適当ですが)だしたら、11通目からは15分くらいディレイがかかるとか、なんかそういうルールで対処して、子供が携帯を使いながら学べるようなルール設定を考えてあげた方がいいような気がします。
 まあ、そんなルールをこまめに盛り込むのは携帯会社の方が大変そうですけど。

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 「グレーゾーン」はとても現実的で効果的なアイデアですね!
 「全部OK」と「NG」の2種類しかないのは極端すぎると思いますし。その中間に「条件付きOK」みたいなのがあったほうが自然ですよね。

 善悪の判断がつかない子供(小学校低学年とか)のうちからどんな情報にもアクセスできるのはちょっと不自然かなとも思いますし、逆にいきなり「これまではがんじがらめでしたが、成人したのであなたは今日から自由です、はいどうぞ」と突き放されても、善悪の判断力が育ってないので戸惑ってしまう(または、大人になっても判断できないまま)と思います。その判断力を育てるのがグレーゾーンなんですね。

 具体的にどんな実装をすればいいのか……とりあえず、親がアクセス履歴を確認でき、アクセス不可サイトを指定できるくらいは必要かなとは思いますが、それだけじゃ足りないですねえ。。。

お酒は20歳以上の監視(?)の下大学生の飲み会があったり、事実上グレーみたいなのがあるみたいなものの様なきもしますけどね…法的には違法ですけど暗黙の了解で大目にみられているような気はします。

この危険な世の中で携帯を持たすなとか言う口はどこだ。
そこまでいうなら特定の電話番号(警察と数回線)にしか電話することしかできない、トランシーバー的な超ジミ携みたいなのを作ればいいんじゃないかと

メールは届くのに1日かかるリアルメール仕様(ぉ

こんにちは。

「メールのルール」について。
たしかに携帯会社は大変でしょう。
しかし、このあたりのルールを設定し運用するのが大人の知恵だと思います。

それにしても、安倍さんの考えられたルールはとても面白い。
メール数と時間の制限ですね。
このふたつをうまく設定すれば、なんとかなりそうな気がします。
もう一つ要素を増やすとすれば、文字数制限でしょうか。
これがあれば、長文メールを要求する人間に対する言い訳がついてよいんですけどね。

「グレーゾーン」についてはほぼ同じ意見です。

何も知らない世界に戸惑うのは子供だろうが大人だろうが当たり前で、
そんなときにどういう行動をとるのかは、今まで学んだことや経験が生かされるわけです。
重要なのは、「何がダメか」をはっきりさせておくこと。
それを踏まえたうえで「失敗を与える」という経験はいいと思いますが、
「失敗させる」という経験は絶対にダメだと思います。
失敗の大小をこちらでコントロールできないからです。
小さい失敗を繰り返して学ぶのに、複数の世界が必要だとは思えません。
子供に携帯を与えることは必要でしょうか。
危険な世の中なら、「失敗をさせない」責任を私たちがなおさら果たさなければなりません。

安倍さんのお考えの、ルールのグレーゾーンとかメールのルールとか、実は何の解決にもならないですよね。ルールを率先して破るのが大人の側ですから。

今でも酒やタバコのグレーゾーンなんて、罰則を適用するかどうかの、大人の恣意的な基準でしかないですし。そもそもグレーって、罪だけど罰はないとか? 罰則のない決まり事がほとんど守られないのは、いつものことです。

もし、キャリヤがWebブラウザやメールにいろいろな設定項目を作って、それに対応した子供向け携帯を販売したとしても、親が子供に買い与えるのが制限のない大人用なら意味ないです。ルールがある以上それは自分達(親と子)がみずから守るべきだ、というしっかりした考えの親ばかりなら良いですけど、たいていはわざわざ低機能で不便なものを子供に使わせようとは思わないでしょう。

そしてそのような携帯を子供向けとして義務化するなら、それはすでにグレーゾーンではないわけで。

子供に携帯電話を与えること自体が悪いのではなく、使い方や仕組み、お金がかかっているという事実、そういった物を理解できるように、親が教えられないというところにあるのではないかと思います。
それを携帯電話キャリアに負担させるのはなかなか難しいように思います。家庭ですべき教育を学校にやらせるようなもののような気がします。ちょっと違うか…。

何か行動を起こしたく
子供たちに直接話しかけています

http://blog.hangame.co.jp/yume_azami

あまりにも、匿名性やなりすましに無防備だと感じています
プロフィール

安倍吉俊

Author:安倍吉俊


イラストレーター。漫画集『回螺』、画集『垓層宮』発売中。
ガンガンONLINE『リューシカ・リューシカ』連載中。
代表作『lain』『NieA_7』『灰羽連盟』『TEXHNOLYZE』
Macユーザー。カメラと自転車好き。爬虫類と魚を飼育中。
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