DP3 Merrillを待ちながら
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ブログを遡ってみると、僕が写真を撮る事に興味を持ったのは2010年の10月4日でした。同業者の村田蓮爾さんにNEX5とライカのレンズを見せてもらったのがきっかけです。それまでは、僕にとって写真とは作画資料のためのスナップか備忘のためのメモに過ぎませんでした。
ガジェットとしてのカメラはもちろん好きで、コンデジはそれこそQV-10の頃から数十台買っていますし、デジイチもペンタックスのk-xを持ってはいたのですが、オート設定で毎日のご飯を撮ったり、旅行の記録を残したりといった、ログを録るのための道具に過ぎませんでした。

2000-09-29。G4 cubeを買った日。IXY使ってる。

2001-05-10。アメリカ旅行。ビデオカメラの静止画モードかな。ぼけぼけだ。

2003-06-14。井の頭公園、カラス。10年前もカラス見たらつい撮ってたみたいだ(笑)。

2005-08-04。ケーキ。誕生日翌日だからバースデーケーキ?
撮る写真も、なるべく全体に平板にピントが合っていて、対象物が切れずに全部入っている事が大事で、構図や空気感といったものは考えにありませんでした。いいカメラは背景がぼけてしまう事があるので安いコンデジやiPhoneの方がいいとさえ思っていました。

2008-04-24。ガラケーでご飯を。
まあふとしたきっかけでNEX3を買い、Eマウントのレンズが出揃っていなかったので片っ端からマウントアダプタを買って各社の安いレンズをヤフオクで落としまくりました。マウントアダプタで古いレンズを使うと多くの場合ピントがマニュアルになるので、必然的にMFで撮る事が多くなりました。そうしたら急激に写真を撮る事が楽しくなりました。

2010-10-07。NEX3を買った。

2010-10-14。そのNEX3でカメレオンを。
今まではとにかくできるだけ素早く、できれば片手でパッと撮って立ち止まらず去る、くらいが理想で、コンデジを買う時はできるだけ強力な手ぶれ補正とか暗所に強い物を選んでいたのですが、きちんと立ち止まって自分でピント合わせていると、自然と『自分は何にひかれて立ち止まったのか』とか『それをどう撮ろうか』といった事に意識がゆくようになりました。

2010-11-03。
でも、ここまで写真が好きになった一番のきっかけは2011年7月にDP2sを買った事でした。Foveonという特殊なセンサーを搭載したこのカメラは、暗所に弱くぶれやすく、AFも弱く、撮って出しのjpegは情報量が少ないのでRawで撮って現像する必要があるという、初心者には扱いが難しいカメラです。でもうまくはまればすごい描写をします。DP2sを使い始めると、必然的にどうやってぶれを防ぐか、低ISOで撮影するかを考えるようになりました。



2011-07-26。自転車のハンドルに固定して撮影。
今までずっとカメラにおまかせのPモードを使っていてAとかSとかMの意味も分かっていなかったのですが、DP2sを使っているとPモードではどうにもならない事が多く、絞りとISO感度とシャッタースピードの関係を理解する必要に迫られました。
というか、分かってしまうとものすごい簡単でした。
●F値を小さくすると明るく背景がぼけやすくなり
●シャッタースピードを上げると暗くなるけど動きの止まった画になり
●ISOは小さいほどノイズが減るけど暗くなる
で、それらを組み合わせて適切な明るさで撮る。基本的にはそれだけです。こんな簡単な事が、何だか小難しい気がしてずっとPモードで撮っていたわけです。
分かってみると表現の幅が広がりました。背景をぼかしたいからF値を小さくするとか、鳥の羽ばたきを撮りたいからシャッタースピードを上げるとか、しまった画にしたいからちょっとF値を上げるとか、まあそういう事です。

2011-07-21。

2011-08-21。

2011-08-30。空。
同時に、構図を意識したり、水平をちゃんととろうとか、まあ普通に写真を趣味にする人が考えるような事を人並みに考えるようになりました。
写真が好きになると、生活とか物の見方が少しずつ変わってきました。散歩が好きになったり、今まで気にもしなかった花の名前を覚えたり、早朝のベランダで、いろんな鳥が鳴き出し、コミュニケーションをとっている事に気づいたり、望遠レンズを買って月を撮ったり、動物園の年間パスポートを買ったり、料理の盛りつけや食器に興味が湧いたり、鉢植を買ってみたり……。写真という趣味は、色んな事とくっつきやすいのです。
僕は基本的に出不精なのですが、写真にとったら面白そうだな、と思うとどこにでも行きたくなります。
今まで実用的であればどうでもいいと思っていたような物にちょっと手間とかお金をかけてみたり、気にもとめなかったちょっとした事に気づいたり、世界の広さや深さを再認識させてくれます。

2012-08-31。月。
そういう心境の変化のきっかけになってくれたのがSIGMAのカメラでした。
DP2sのあとSD15を買い、40万円分のSIGMA製品が買えるポイントがつくキャンペーンの時、思い切ってSD1を買いました。そしてそのポイントでレンズとDP2 Merrillを手に入れました。

2011-08-24。向日葵。

2011-08-24。子猫。

2012-02-18。クラウンウェルツノガエル。

2012-02-18。夕景。

2012-03-27。葉ぼたん。

2012-03-26。花。

2012-04-30。スズメ。

2012-07-24。店先。

2012-08-07。雲と飛行機。

2012-08-07。

2012-08-26。向日葵とカマキリ。

2012-08-10。猫。

2012-11-18。
ずっと、SIGMAのカメラは初心者にはお勧めできない、と思っていましたし、そういう言い方はよくされるのですが、最近、むしろ初心者が一歩先に踏み出すときにSIGMAの、特にDP Merrillシリーズは向いているのではないか、という気がしてきました。

2012-10-05。特撮博物館。
僕のようにとりあえずおまかせモードで手軽に撮れればいいや、レベルからもう少し踏み込んで自分の意思や意図を反映させて撮りたい、と思った時に、DP Merrillのように、やたらと充実したおまかせモードのないシンプルな操作性のカメラで、絞りやシャッタースピードやISO感度の事を考えないとうまく撮れない、でも考えたら考えただけいい写真が撮れるようになるカメラ、というのは自分の上達度合いがはっきりと結果に出るのでとてもいいのではないかと思うのです。

2012-09-01。銀座。

2012-08-21。神戸芸術工科大学キャンパス。
2月22日にDP Merrillシリーズの新機種、DP3 Merrillが発売されます。もう予約しています。50mm(35mm換算で75mm)のレンズは『これをこう撮ろう』という明確な意図がないと難しい気がしますが、逆にそういう意図を持って撮れるようになりたくて買う事にしました。ありがたい事にキャッシュバックキャンペーン中で、既にDP MerrillやSD1を持っている人は3〜5万円のキャッシュバックを受けられます。さらに、そうして買ったカメラもキャッシュバックの対象になるので、複数台買って複数台分のキャッシュバックを受ける事もできます。


とはいえ安い買い物ではないので軽々しく勧めるものでもないのですが、毎日一喜一憂しながら写真を学べるカメラです。
ガジェットとしてのカメラはもちろん好きで、コンデジはそれこそQV-10の頃から数十台買っていますし、デジイチもペンタックスのk-xを持ってはいたのですが、オート設定で毎日のご飯を撮ったり、旅行の記録を残したりといった、ログを録るのための道具に過ぎませんでした。

2000-09-29。G4 cubeを買った日。IXY使ってる。

2001-05-10。アメリカ旅行。ビデオカメラの静止画モードかな。ぼけぼけだ。

2003-06-14。井の頭公園、カラス。10年前もカラス見たらつい撮ってたみたいだ(笑)。

2005-08-04。ケーキ。誕生日翌日だからバースデーケーキ?
撮る写真も、なるべく全体に平板にピントが合っていて、対象物が切れずに全部入っている事が大事で、構図や空気感といったものは考えにありませんでした。いいカメラは背景がぼけてしまう事があるので安いコンデジやiPhoneの方がいいとさえ思っていました。

2008-04-24。ガラケーでご飯を。
まあふとしたきっかけでNEX3を買い、Eマウントのレンズが出揃っていなかったので片っ端からマウントアダプタを買って各社の安いレンズをヤフオクで落としまくりました。マウントアダプタで古いレンズを使うと多くの場合ピントがマニュアルになるので、必然的にMFで撮る事が多くなりました。そうしたら急激に写真を撮る事が楽しくなりました。

2010-10-07。NEX3を買った。

2010-10-14。そのNEX3でカメレオンを。
今まではとにかくできるだけ素早く、できれば片手でパッと撮って立ち止まらず去る、くらいが理想で、コンデジを買う時はできるだけ強力な手ぶれ補正とか暗所に強い物を選んでいたのですが、きちんと立ち止まって自分でピント合わせていると、自然と『自分は何にひかれて立ち止まったのか』とか『それをどう撮ろうか』といった事に意識がゆくようになりました。

2010-11-03。
でも、ここまで写真が好きになった一番のきっかけは2011年7月にDP2sを買った事でした。Foveonという特殊なセンサーを搭載したこのカメラは、暗所に弱くぶれやすく、AFも弱く、撮って出しのjpegは情報量が少ないのでRawで撮って現像する必要があるという、初心者には扱いが難しいカメラです。でもうまくはまればすごい描写をします。DP2sを使い始めると、必然的にどうやってぶれを防ぐか、低ISOで撮影するかを考えるようになりました。



2011-07-26。自転車のハンドルに固定して撮影。
今までずっとカメラにおまかせのPモードを使っていてAとかSとかMの意味も分かっていなかったのですが、DP2sを使っているとPモードではどうにもならない事が多く、絞りとISO感度とシャッタースピードの関係を理解する必要に迫られました。
というか、分かってしまうとものすごい簡単でした。
●F値を小さくすると明るく背景がぼけやすくなり
●シャッタースピードを上げると暗くなるけど動きの止まった画になり
●ISOは小さいほどノイズが減るけど暗くなる
で、それらを組み合わせて適切な明るさで撮る。基本的にはそれだけです。こんな簡単な事が、何だか小難しい気がしてずっとPモードで撮っていたわけです。
分かってみると表現の幅が広がりました。背景をぼかしたいからF値を小さくするとか、鳥の羽ばたきを撮りたいからシャッタースピードを上げるとか、しまった画にしたいからちょっとF値を上げるとか、まあそういう事です。

2011-07-21。

2011-08-21。

2011-08-30。空。
同時に、構図を意識したり、水平をちゃんととろうとか、まあ普通に写真を趣味にする人が考えるような事を人並みに考えるようになりました。
写真が好きになると、生活とか物の見方が少しずつ変わってきました。散歩が好きになったり、今まで気にもしなかった花の名前を覚えたり、早朝のベランダで、いろんな鳥が鳴き出し、コミュニケーションをとっている事に気づいたり、望遠レンズを買って月を撮ったり、動物園の年間パスポートを買ったり、料理の盛りつけや食器に興味が湧いたり、鉢植を買ってみたり……。写真という趣味は、色んな事とくっつきやすいのです。
僕は基本的に出不精なのですが、写真にとったら面白そうだな、と思うとどこにでも行きたくなります。
今まで実用的であればどうでもいいと思っていたような物にちょっと手間とかお金をかけてみたり、気にもとめなかったちょっとした事に気づいたり、世界の広さや深さを再認識させてくれます。

2012-08-31。月。
そういう心境の変化のきっかけになってくれたのがSIGMAのカメラでした。
DP2sのあとSD15を買い、40万円分のSIGMA製品が買えるポイントがつくキャンペーンの時、思い切ってSD1を買いました。そしてそのポイントでレンズとDP2 Merrillを手に入れました。

2011-08-24。向日葵。

2011-08-24。子猫。

2012-02-18。クラウンウェルツノガエル。

2012-02-18。夕景。

2012-03-27。葉ぼたん。

2012-03-26。花。

2012-04-30。スズメ。

2012-07-24。店先。

2012-08-07。雲と飛行機。

2012-08-07。

2012-08-26。向日葵とカマキリ。

2012-08-10。猫。

2012-11-18。
ずっと、SIGMAのカメラは初心者にはお勧めできない、と思っていましたし、そういう言い方はよくされるのですが、最近、むしろ初心者が一歩先に踏み出すときにSIGMAの、特にDP Merrillシリーズは向いているのではないか、という気がしてきました。

2012-10-05。特撮博物館。
僕のようにとりあえずおまかせモードで手軽に撮れればいいや、レベルからもう少し踏み込んで自分の意思や意図を反映させて撮りたい、と思った時に、DP Merrillのように、やたらと充実したおまかせモードのないシンプルな操作性のカメラで、絞りやシャッタースピードやISO感度の事を考えないとうまく撮れない、でも考えたら考えただけいい写真が撮れるようになるカメラ、というのは自分の上達度合いがはっきりと結果に出るのでとてもいいのではないかと思うのです。

2012-09-01。銀座。

2012-08-21。神戸芸術工科大学キャンパス。
2月22日にDP Merrillシリーズの新機種、DP3 Merrillが発売されます。もう予約しています。50mm(35mm換算で75mm)のレンズは『これをこう撮ろう』という明確な意図がないと難しい気がしますが、逆にそういう意図を持って撮れるようになりたくて買う事にしました。ありがたい事にキャッシュバックキャンペーン中で、既にDP MerrillやSD1を持っている人は3〜5万円のキャッシュバックを受けられます。さらに、そうして買ったカメラもキャッシュバックの対象になるので、複数台買って複数台分のキャッシュバックを受ける事もできます。


とはいえ安い買い物ではないので軽々しく勧めるものでもないのですが、毎日一喜一憂しながら写真を学べるカメラです。
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ジャンル : 写真
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●F値を上げると明るく背景がぼけやすくなり
●シャッタースピードを上げると暗くなるけど動きの止まった画になり
●ISOは小さいほどノイズが減るけど暗くなる
F値を下げると、もしくは絞りを開けるほど
ですよー
●シャッタースピードを上げると暗くなるけど動きの止まった画になり
●ISOは小さいほどノイズが減るけど暗くなる
F値を下げると、もしくは絞りを開けるほど
ですよー
No title
そうですね。ありがとうございます。治しました。つい明るくなるので上げる、と書いてしまいます。